2.6 マンガにあらわれる価値観

 どのようなメディアもその特性上制作者の一定の価値観の上に成り立つことは免れないが、メディア全体が特定の価値観をおしつけるようであれば問題である。マンガはその点多様化しているが、作者の偏見がそのまま作品に現われる場合があるし、雑誌としての傾向が偏ることもある。そこでマンガの「罪」の部分をみることを目的に、作者の固定観念がそのまま表れていると思われるところをピック・アップした。ただし、1章で述べたことを受け、3章にて行うその判断には慎重を期すことにする。特にこれまで批判が強かった、性描写と暴力シーンに留意して分析をおこなったが、暴力シーンに関しては分析対象範囲内においてさほど残酷な表現はみあたらなかったため、性表現についてのみ後で取り上げることにする。


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