2.3 「物語」について

 ストーリーマンガや小説、すなわち「物語」の中では、ストーリーの進行にともなって、各キャラクターが独立して動いていることが読者にわかる。少なくとも作者の構想の中で、どのキャラクターも何らかの使命をもって物語に登場する。そこでマンガのもつ「物語」としての面に注目してみる。具体的には、
物語の流れ(もしわかるなら全体としてのテーマ、主人公の目指す目的)
物語の時代、場所、読者の日常との接点、非日常性の度合
主人公の基本設定(性、年齢、性格、行動パターン)
という観点から物語の各構成要素を比較しあってみた。ただ今回は連載ものの3回分だけで判断したために、不十分なところはなるべく既刊の単行本などを参考にして補ったとはいえ、完璧を期せるものではない。ただ作品分析では出てこない、雑誌としての、また同時期のマンガにおける共通性から、子どもたちの好む物語世界があぶり出されてこないかと思った。この細かい結果をいちいち示すことは出来ないが、ある程度の共通項を見つけることは出来たので、それについて第3章で述べることにする。


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