第3章 マンガ雑誌の分析調査に関する考察     

1. 各雑誌の傾向と特徴

 では分析結果の本格的な考察に入っていくが、最初に各雑誌の特徴を具体的にみていくことで、簡単に「雑誌のなかのマンガ」という側面をふまえる。と同時に、どれも大部数売れている雑誌だけにマンガ雑誌と読者との関係に注目し、どのような編集方針で読者の人気を獲得しているかを大まかにふまえておきたい。

 雑誌全体の傾向をはかるために設けた各調査項目を「付録1」のなかで説明しているので参照されたい。なお掲載マンガの内容分析フォーマットも「付録2」にて掲示してある。それらを元に分析した結果に基づいて各雑誌の特徴についておのおの述べていき、そのなかで適宜掲載マンガの内容について言及することにする。

 分析対象号は「ジャンプ」「マガジン」が97年夏の発行号で、ほかの雑誌に比べ時期的に古くなっているが、これはいくらリアルタイムの雑誌分析とはいえ、読者の反応が小刻みに返ってくる週刊誌においてはその後どのくらい連載が続いたかなどの結果をある程度参考にするべきだと考えたからである。また月刊誌ではマンガ1本あたりに割かれる各号のページ数が多く、また毎回必ず登場人物やあらすじの紹介がついているので、内容分析は比較的容易だが、週刊ではページ数も少なくあらすじ紹介もないために、内容の把握が難しい場合には単行本や続刊号を参照する必要があるからである。


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