食生活 (家庭科メモ)

目次
1.食生活の大切さ
2.食生活の現状と問題点
3.栄養素は体内でどのような働きをするか
4.何をどれだけどのように組み合わせて食べるか


1.食生活の大切さ

現在のあなたの体は、あなたの食生活の履歴書

生理的な面)栄養素の補給、生体内のリズムの形成

社会的・文化的な面)家族の団らん、行事、食習慣(幼少期の食事により食嗜好がつくられる)

同質、同量の食物を1日のなかでどのように配分していつ食べるか
 =>体脂肪の合成量を左右
まとめ食い、朝食抜きの1日2食 → 脂肪の合成が活発化。成人病に罹患しやすい

●朝の欠食者ほど、間食が増える。

∴1日3回以上に分割配分し、適切な時刻に食べること

2.食生活の現状と問題点

カルシウムが所要量に達していない。(平成2年国民栄養調査で所要量に対し87%)

脂肪の取り過ぎ(特に動物性脂肪の摂取をおさえるべき)

個人差の増大(肥満、拒食症、運動する人、しない人、朝食抜き、生活の不規則)

女性は年がいくほどに肥満率が高くなる。

食塩摂取量はやや減少傾向にあるが、依然として高い。
→高血圧、脳卒中、心筋こうそく、癌などの成人病の発症に関連する。
目標1日
10g以下。加工食品に多く含まれるので注意。

家庭における食教育を
(家族で食卓をともにするべき。
 昭和
62年世論調査で毎日家族がそろうのは約半数の世帯でしかない。)

外食、調理済み食品利用者の増大

 → 摂取栄養素量が少ない。特にカルシウムと鉄の不足を招く。
   加工食品には食物繊維が不足しがち。

日本は畜産物を得るために、多量の飼料用穀物を輸入して消費している。

現在、畜産物と油脂の消費が増加し、米の消費が減少。

3.栄養素は体内でどのような働きをするか

5大栄養素=糖質(炭水化物)、脂肪タンパク質、ミネラル、ビタミン                 ↑3大栄養素(体内の3つの働きにすべて関与する。)

1.炭水化物

食事による摂取エネルギーの約65

エネルギー源 + 脂肪に合成されて蓄えられる

脳や細胞組織では、これを分解したブドウ糖でしかエネルギーを利用できない。

血糖値の極端な低下→脳細胞の機能停止
(通常、低下すると摂食中枢が刺激され食欲が生じ、血糖値上昇で満腹中枢が刺激され満腹感を生じる)

2.脂質 (脂肪=グリセリン+脂肪酸)

効率のよいエネルギー貯蔵物質。1gにつき9kcalを生成。

コレステロールは過剰になると問題で、動脈硬化や心臓疾患を引き起こす。

近年動物性脂肪の摂取量が増加し、学童のコレステロール値が高くなっている。

多価不飽和脂肪酸は人体内で合成できない必須脂肪酸。植物油や動物脂、魚油から。

多価不飽和脂肪酸は血中コレステロールレベルを下げる。

成人病予防のためには、肉、バターなどの動物性脂肪と植物性および魚類の脂肪との摂取比率を1:1〜2の範囲にすることが望ましい。

※脂肪の所要量は摂取エネルギーに対する脂肪エネルギー比率で示されている。生活活動強度Uの成人で20〜25%である。これをグラムに換算するには、パーセントに相当するエネルギーを計算し、それを9で割る。

3.タンパク質

人間の体を構成する主な成分は水とタンパク質。

食物のタンパク質 --------→ アミノ酸 ----------→ 自分のタンパク質
                                消化          合成

必要に応じてエネルギー源にもなる。

必須アミノ酸
体内で合成できず、食物から得なければならない。
9種類。
どれかひとつでも不足するとそれが制限因子となり、全体に影響する。
動物性タンパク質にはこれがよく含まれるので、良質であると言える。
植物性タンパク質は低質のものが多い。
特に成長期の児童は良質の動物性タンパク質を摂取することが望ましい

4.ビタミン

体内の化学反応を助けたり、反応を促進したりする。健康維持に必要

例えばビタミンCが不足すると、皮膚、歯ぐき、血管の障害を引き起こす。

脂溶性ビタミン(A,D,E,K)と水溶性ビタミン(C,B1,B2,ナイアシン等)があり、
脂溶性のものは過剰症を引き起こす可能性があるが、水溶性のものは過剰に摂取しても問題ない。
その代わり毎日必要量を摂取しなければならない。

プロビタミン:体内でビタミンに変化する物質。
 カロチンは体内でビタミンAに変わるのでプロビタミンAという。

※平成1212月に発表された「五訂日本食品標準成分表」では、ビタミンAIUではなく、
 レチノール当量
(μg)という単位で計ることになった。IU:レチノール当量=103

5.ミネラル

カルシウム、リン、カリウムなどの元素。

体内の生理機能に必要。

カルシウム
 給源は牛乳・乳製品・小魚。組織や細胞内で様々な調節作用に関与。

血液中に10mg/100mlの一定値で体内をめぐる。
老年期、特に閉経後の女性に多い骨粗しょう症を予防するには、
成長期、成人期にカルシウムを十分摂取して、骨のカルシウム量を増大させておく必要がある。


体内の鉄の
70%が赤血球のヘモグロビン。
体内の鉄は無駄に捨てられることなく効率的に利用されるので、
鉄不足の原因は長期にわたる欠乏食や失血などによる。
但し成長期には新しい体組織を作るのに多量の鉄が必要で、それを賄うことができないと貧血になる。

6.

成人体重の50-60%を占める。水を摂取できない環境下ではわずか4日しか生存できない。

だが食事をとらなくても水さえあれば40日は生存できる。

7.食物繊維

人の消化酵素で消化されない成分。便通に影響。癌予防に効果。

穀類、豆類、野菜、果物、海藻類から摂取する。

繊維の量が少ないと便の量が減り、排便回数も減るため、便が腸内に長期間たまる。
発癌物質が生成された場合、腸粘膜との接触時間が長くなり、癌の発生確率が高まる。
但し過剰の摂取は微量栄養素の吸収率を低下させる。


4.何をどれだけどのように組み合わせて食べるか

食生活指針)

1.130品目を目標に、主食、主菜、副菜をバランスよく。

2.よく体を動かし、食事内容にゆとりを持つことで肥満を予防。

3.脂肪の取りすぎに注意。動物性脂肪より植物性の油を多めに。

4.食塩は110g以下。調理の工夫で減塩を。

5.こころのふれあう楽しい食生活を。家族の味、手づくりの心を大切に。

3つの食品群

3つの食品群

6つの食品群

1

魚、肉、卵、大豆製品

良質タンパク質

第2群

牛乳、乳製品、骨ごと食べられる魚

カルシウム

第3群

緑黄色野菜

カロチン

第4群

その他の野菜、果物

ビタミンC、ミネラル

第5群

米、パン、めん、いも

糖質性エネルギー

第6群

油脂

脂肪性エネルギー

栄養所要量

厚生省(現厚生労働省)が示す。5年ごとに見直し。

3大栄養素のエネルギー比率
PProtein(タンパク質) FFat(脂肪) CCarbohydrate(炭水化物)


食品添加物

 保存料、殺菌剤、酸味料、甘味料、着色料、着香料、漂白料、酸化防止剤、乳化剤、品質改良剤、糊料、膨張剤、発色剤(亜硝酸ナトリウム)など。

 同一加工食品を連日利用しない。

     加工食品ばかりに依存しない。

     見た目や価格より安全性を優先する。

     密着包装のものや冷凍物には保存料が使われていない。

ポストハーベスト農薬

 輸入品。日本より米国のほうが基準が甘い。特に大豆。


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