ふじわらくんのちょこっとコラム&リンク集 2005/10/16版

復活公演「ユーラシア海岸に昇る月」

※このコラムは、劇団当局とは全く関係なく、某F氏が勝手に書いているコラムです。

これが、何度も何度も公演予告に出てきていた謎のシナリオの正体だったのですね・・・。
楽日前日の15日(土)、見てまいりました。

「ユーラシア海岸に昇る月」という公演の題名は、
大学時代に「劇団粒脳」としてやっていたときから、ず〜〜〜〜っと「公演予告」で出てきていた名前です。
今回、3年のブランクをへた復活公演ということで、この「幻の公演名」が実現することになり、
おどろいています。

それにしても、やはり満月の舞台はいいですね。
役者はもちろん、舞台全体、特に今回は生楽器も効果的に加わって、
とにかくトータルの迫力というか、気合というか、雰囲気、熱気、元気・・・この渦巻く「気」の集合体を
ちょっとの距離で感じ、こちらも「気」を充電されてハイテンションになって「よっしゃ!」っていうかんじで
帰ることができる、そんな芝居です。

具体的に言うと、たとえば役者の「目」ですかね。
「目力」(めぢから)ということを非常に大事になさる教育筋では有名な国語表現の先生がいらっしゃるのですが、
人がだれか人の前に立ち、何かメッセージをつたえようとするときに、圧倒的に大事なのは、「目」でしょうね。
「目力」(めぢから)がともなった演技は、体全体の表現エネルギーも、目が死んでいるそれに比べ圧倒的にスパーキングです。
私は、職業柄いつも子どもの前に立って授業をしているわけですが、いくらはりきって思いっきりやっていても、
あの満月の役者のように目をカッと見開いて体全体でメッセージを発しきれていない。
私はいつも公演を見て、「ああ」と思って自らをふりかえり、そして「よし」と思って明日への活力とするのです。

ともかく、満月の舞台が復活し、今できるすべてのことをぶつけきってやりきって、それを見せてくれた満月には心から感謝です。

私は教師ですから、できてない人には少しでもできているところをみつけてほめようとしますが、
逆に、できている人には少しでも課題を指摘してさらにどんどん前に進んでほしいと思います。
満月は、今回の舞台を見る限り、今までの延長線上においてほぼ完成されてきたような気がします。
だからこそ、ここでおわりではなく、むしろまた1歩、また1歩とどんどん足を前に出して進み続けてほしい。
来年も、再来年も、ぜひ公演をつづけてほしいと、切に願っております。


これまでの公演をコラムでふりかえる  〜〜〜 満月復活記念、どうでもいいのにコラムも復活!編〜〜〜

●「シャングリラ」

満月の芝居ではいつものことですが、
今回も役者の発するエネルギーに圧倒されることがたびたびでした。
各役者の見せ場は多くなっており、
固定ファンにはたまらない内容になっていると思います。
(個人的には不必要に長い、と思うところもありましたが(^^;)

ただ、話の流れとか意味、メッセージ性とかいう面は、
今までに比べても非常に難解というかわかりにくい。
2時間の長丁場、見ているだけでおもしろい場面はたしかに多いのですが、
話の因果関係をとらえるのが難しいので、お話重視の人にはちょっとどうかな、
と思う部分はあります。

ともあれ、これを書いている時点で公演も残すところあとわずかになっています。
最後には必ず何かやってくれるのが満月です。
珍しく文句も書いてしまいましたが、きっとラストの2公演はとっておきの新趣向もとびだして
格段にレベルが上がっていると思います。
私は見に行けないので残念なのですが、
今回の「シャングリラ」の最終形、ぜひあなたの目で見定めてください。

●「リアル」

今回の公演「リアル」。終わってしまいましたね。
劇団とは離れたところに住んでいる私は、
結局公演を実際に目の当たりにしたのは23日でした。
実は観てみるまでは、完成度とかテーマ性とか、いろいろ心配もあったんです。

しかし観てみて・・・・
これは成功だったと思いました。
あくまで私の個人的感想ですけど、
「リアル」ということを裏から、つまり仮想世界的なものから描くことによって、
現代劇をやらない満月工場が「リアル」をテーマにすることが可能になっていたと思います。
(へんな表現^^;)
それぞれの役者、スタッフがそれぞれの役割を果たして、
総合的に見て細かいところが気にならないくらいの完成度を誇っていたと思います。
テロ事件の影響で脚本に修正が加わったりと、
直前までどたばたしていた中、演技や効果、アイデアなどは非常によく洗練されていました。
脚本に関してはよく推敲されていると同時に、
これまでよく言われていた「わかりにくい」点が、今までで一番解消されていて、
過去の脚本の中で一番観客に対してテーマやストーリーが直接的に伝わってくる芝居だったと思います。
(とはいえ、幕後のアンケートでは、やはり「難しかった」という声もありましたが^^;)
もちろん、満月工場ならではの舞台装置や演出効果の凄みは健在でした。

●「ジャカジャカ」

はっきりいってこの舞台圧巻である。
通常の芝居が展開する舞台が、可動式。こんなのはきいたことがない
そして、舞台外の空間を利用するというアイデア、
「芝居の中の舞台」という、一つの「お約束」的な制限、芝居の内と外を分ける境界線を、果敢にも取っ払ってしまった
ここで詳しく書くことはしないので、気になる方はぜひとも実際に見て、その目で確かめてほしい。

ストーリーの方は、この劇団にしてはめずらしくわかりやすい。
決して、ある1人の主人公を中心に展開していくような、感情移入しやすい脚本の組立にはなっていないのだが、
楽しみながらその展開を見守り、エピローグでうんうんと納得して帰れるような、そんなシナリオになっていると思う。
つまり、何を訴えたいかという、物語のアピールポイントがはっきりしているのである。

」がしめしている境界線のもつイメージは、視覚的に理解できるほか、演出からも肌で感じ取れる。
そしてそれをくさびにして物語が展開されていることから、すんなりと複数の違った「場」の中にも入っていける。

物語の本質的部分を訴える役者の演技も非常に力が入っている。
中間部の平和なムードのなかでは思いっ切り笑えるし、役者の動きを楽しめるのだが、
物語の回転が速くなり、エピローグに向けて収束していくところではたたみかけるようになる。
このメリハリがついている

ひょっとして、トータルの完成度はこの劇団史上、最高かもしれない。
(こんなことは2度とないぞ・・・というとアリイさんに怒られるなあ(^^;)

いま、これを読んでいるあなたたち自身が、
もし何かもやもやした気持ちをひきずった状態で、
それを吹き飛ばすような衝撃を欲しているというのなら、
たとえ新幹線に乗ってでもこの芝居を見に来なさい!といいたい。

水も電気もすべて自前で調達するという、現代離れしたたくましい生活を実践してこの芝居に賭けているこのメンバー。
だからこそ、その舞台はあなたたちを圧倒し、その演技はあなたたちを魅了し、その物語はあなたたちを感動させるであろう。

いや、マジで。


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にかとま情報局
このホームページ管理人のホームページです。
教育、音楽、ゲーム、占い、などなど。
なんでもありのサイトなので、1つくらいはあなたの性にあったのがあるかもしれません。

クレセントフェイス
公演のほかに自主制作映画など多彩な活躍をされている劇団。
2000年公演「蛇歌・JAKA」では谷口さんに客演で出ていただきました。

Studio"A"
劇団満月工場の前身、「劇団粒脳」時代のパンフレットを見ることができます。
う〜む、そんなめんどくさいことをよくやったもんだと素直に感心してしまいます。
幻の”アドリブ集団金曜日”も見ることができます。
粒脳のアドリブ芝居「罠(とらっぷ)!へその緒」以降、
アドリブ芝居のみをおこなう集団として
粒脳一部関係者とそれに巻き込まれた人々が起こした劇団・・・
それが”アドリブ集団金曜日”だ!
と、ここで力説したところでなんの意味もありませんな。(-.-;)


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