千と千尋の神隠しの感想です。
好き勝手思ったことを書くので
これから観ようと思っている人は参考にならないと思ったら
読まないでください。('^^)
◆「千と千尋の神隠し」(東宝)・・・基本情報

宮崎駿監督アニメ映画最新作
公開10日間で動員329万人、興行収入42億円を突破。
10日間で329万人は「もののけ姫」の2倍。国内最高記録
物語の中心人物2人(千尋とハク)の声優は現役中学生
 〜ストーリー〜
10歳の普通の女の子である千尋は、
突然不思議な街に放り出され、
両親がブタにされてしまったので自分ひとりの力で生きていくしかなくなる。
この世界で生きていくことは、すなわち働くことである。
千尋は懸命に働き、多くの苦労や困難を乗り越えていく。
そして、眠っていた「生きる力」が呼び覚まされていく。
  参考ファンサイト 千と千尋の神隠し Spirited Away           http://www.asahi-net.or.jp/~hn7y-mur/chihiro/
観た後、観客は最後のスタッフロールが終わるまで、
ホントに「おわり」と出るまで、誰も席を立ちませんでした。
最後の歌、なかなか歌詞にメッセージが隠されてそうで
曲も、なんかシンプルなよさがあって、
最後にふさわしかったかな、と思います。
もちろん冒頭部分、久石譲のピアノによるテーマは
作品の雰囲気をぴったり表していて、とてもイイ感じでした。

冒頭、いきなり不思議の国に迷い込みますが、
それまでの短い間の親子の会話でそれぞれの性格がよく理解でき、
「夕鶴」などの秀逸な脚本に通じるもの(=登場人物の性格分けと
それを瞬時に感じさせるセリフの妙、洗練さ)が感じられます。

とはいえ、アニメとしての映像・音響効果はやはりさるもので、
映画館で見ることによりその迫力がまた増大しています。
またアニメならではの強調表現などで効果的に印象を強くしています。
(大粒の涙など。)

ストーリーはテンポよく進み、
ほどよく謎を残しながら先がどうなるか気にさせます。
(終わった後の適度な謎加減(「あれはどうなったんだろう?」と
感じさせるような想像力の刺激剤)も、ほどよくいい感じです。)
しかし芸の細かさや単純なおかしさのトッピングも効いているので、
クライマックスでも笑いが起こる。
要所のせりふも効いている。
キャラの個性は言うに及ばず。
難を言うならば主人公の千尋が、
最初はホントに自分で何一つできない現代っ子って感じだったのに
いきなり宮崎アニメのヒロインって感じの英雄的行動に出るのが
極端、って感じがしないでもないでしたが。
しかし、千尋がヒロインらしくなることで
最後まで堪能できるいいストーリーになっていくので、
そこは好意的解釈をしてもいいかな、といった感じです。
子どもは単純な、表面的な映像美やアニメ表現のおもしろさに、
それ以上の人はその人なりの物語の解釈により、
それぞれの面白さを感じることができる作品でしょう。
宮崎アニメの集大成的なものをしっかり感じます。
「文句は言わせないぞ」というような、
セリフのひとつひとつ、タイトル、主人公、物語など、
その意味を観客に考えさせた後、納得させるだけのパワーが確かに存在します。
基本的に、宮崎アニメが好きなのでべた褒めですね。(^^)
最後に物語の個人的感想を言えば、
「やはり働かなきゃいかんのだな」ということを、
現代社会と子ども、それから自分に絡めて思い返しました。
「このような状況でなければ働かないのだろう」ということ。
ハタラキ = 生きる」ということの基本的なこと。
ハタラキ→純粋にそれに打ち込むとき、おのずと道は開ける、ということ。
私も、もっとハタラカナイと!と勇気付けられました。
また、私は明らかに映画の主人公に生きるモデルを提示されてしまった。
(いつものことです)
感情移入型の私は鑑賞後、自分が映画の中にいるような気分で、
非常に高まった気分を手に入れることができました。
自分でも驚くくらい。
採用試験などの重大なイベントがあったりしても、
けっこううわついたままでなんだかどうしようもない感じを引きずってた
近ごろのよどんだ気持ちに、活を入れられた感じ。
最近の教育改革で盛んに言われる「生きる力」を考えるという面でも、
また単純に楽しもうと思ってみる面でも、
皆さんにお勧めできる映画だと思います。(^^)/~~~
ところで、ファンサイトの掲示板をチェックしてみてびっくりしたのですが、
最初と最後だけに出てくる主人公千尋の母親に関する意見で、103件も!投稿ができていました。
(ほかは多くて10件そこそこなのに!)

ちょっと冷たい感じで千尋に対して
「歩きにくいわ、くっつかないで!」などの言葉がけをする母親に対して、
現役お母さんからは「あれが普通」「そういうことはある」という意見が、
独身やより若い人からは「冷たい」「大事なものが欠けている」といった意見が
多く出されていました。
順番に全部読んでいくと、それぞれの立場でいろんな考え方があるということと、 それを踏まえて子どもにどう接していけばいいのかといったことを深く考えさせられました。

ところで、2011年1月8日現在、このページだけアクセスがはねあがっています。
何かありました!?? (2011/1/8追記)(^^)
「いつも何度でも」4部合唱編曲版INST
   2011/1/9より公開中です。ぜひお立ち寄りください。
 
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